なぜBTC手数料が安くなった?ニュースで読み解くSegwit/ライトニングネットワークで変わる仮想通貨市場

ビットコインの取引量は2018年末頃から回復に向かい、とうとう2017年12月の盛況時まで回復する気配を見せています。同時に、BTC手数料はセグウィットやライトニングネットワークというシステムが導入され、約4年ぶりの安値を記録するまでに下がっています。仮想通貨市場で久しぶりに訪れた明るいニュースと言えるでしょう。

では、なぜ取引量の拡大や手数料の減少が起こったのでしょうか。今後の仮想通貨情勢の予測も行いながら、その原因を突き止めていきます。

ビットコインの取引数が2017年12月バブル期まで回復!

「Blockchain.com」の調査によると、ビットコインの1秒辺りの取引数が、2017年12月頃の水準に回復してきました。2017年12月といえば、ビットコインが過去最高額200万円の価格を付け、ビットコインバブルとまで呼ばれた市場最高相場の時期です。

【参考:Blockchain.com

上のデータでは、TPS(トランザクション・パー・セコンド)を用いています。TPSとは、1秒辺りの取引数を表す単位です。数値が高いほど、市場で活発な取引が行われていることを意味しています。

2017年12月は史上最高となる4.8TPSを記録しましたが、その後、中国や韓国の規制強化、coincheck(コインチェック)やZaif(ザイフ)など大手取引所のハッキング事故を受け、全体の取引数も下がり基調となりました。

しかし、2019年2月22日時点で、取引数は3.7TPSを記録し、順調に取引量が回復してきたことが分かります。

また、「Blockchain.com」では、ビットコインの取引手数料の推移も公表しました。

【参考:Blockchain.com

ビットコインの手数料は、マイナー(マイニングを行う人)の報酬として支払われます。取引が活況だった2017年下半期より手数料も増大し、送金や売買を行うユーザーの負担が増えました。しかし、2019年に近づくにつれ、手数料が急速に減少していることが分かります。

先ほども紹介しましたが、現在は順調に取引量が回復している時期です。TPSは2017年12月頃の水準に近づいていますが、なぜ取引量に依存することなく手数料が下がっていくのでしょうか。

次の項目でその原因を探っていきます。

BTCの取引手数料は4年ぶりの安値を記録

ビットコイン(BTC)の手数料は現在、相当に低い水準で推移しています。その安さは、なんと2015年以来の0.02ドル(約2円、2019年1月1日時点)、実に4年ぶりということで、送金を行うユーザーにとっては嬉しいニュースです。しかし、当時は1BTC=27,000円程度で取引されていた時期で、現在は420,000円を超えています。

なぜ、これほどまでBTC手数料が下がったのでしょうか。

送金手数料が安くなる仕組み

仮想通貨の手数料が安くなるのは、取引数が多くなり、なおかつスムーズに取引を処理できた時に限ります。取引数の多さでは、2017年12月が過去最高ですが、当時は膨大な取引をスムーズに処理する仕組みがなく、20万件以上の送金待ちが発生しました。

すると、手早く送金処理を行いたい人は、高い手数料を支払って優先的に処理を行ってもらおうとします。その結果、ビットコインの平均的な手数料は底上げされ、一般ユーザーにもコスト増がのしかかります。

そこで、こうした送金トラブルを回避するために、「Segwit(セグウィット)」と「ライトニングネットワーク」という仕組みが生まれました。

セグウィットとは、送金時の署名情報を分離してブロックに納めることで、ブロックの容量を増やす方法です。今までよりも多くの送金データをブロックに格納できるようになるため、処理できる件数も増え、送金がスムーズになります。

ライトニングネットワークとは、第三者を経由して誰にでも送金できる方法です。たとえ繋がりのない2者間であっても、アドレスを知っている複数のユーザーを中継することで、送金を可能にします。

上記はどちらも送金処理のスムーズ化に役立つ方法で、こうしたシステムの技術的進歩によって、取引数が増加しても手数料が高騰しない仕組みが生まれたと言えるでしょう。

【参考:THE BLOCK】

上の図は、現在までのセグウィット利用状況を表しています。セグウィットを利用して取引するユーザーは、全体の40%に達しました。つまり、現在の「取引数増」「手数料減」という現象は、こうした技術進歩や向上が大きな理由となっています。

BTC手数料の減少は序章に過ぎない

セグウィットやライトニングネットワークのように、ビットコインの送金遅延問題を解消するため、新しい技術やシステムが開発されています。送金トラブルを巡る問題を「スケーラビリティ」と呼びますが、今回のニュースはこのスケーラビリティの大きな問題点を解消した明るい話題となりました。

取引数が堅調に推移し、取引手数料も現在の低水準を保つようであれば、新しく仮想通貨投資を行いたいというユーザーも現れてくることでしょう。

しかし、coincheckやZaif、または過去に起きた取引所トラブルなどで、多くのユーザーに不安や不信を植え付けてしまったのは確かです。この悪いイメージを払拭するには、まだ相当な時間がかかるものと思われます。その間に、仮想通貨取引所のコンプライアンスやセキュリティ体制など、ユーザーが安心して取引できる環境を整えてほしいものです。

まとめ

ビットコインの取引数の増加、手数料の減少は、仮想通貨市場にも明るいニュースとなりました。2017年12月のビットコインバブルは、取引数が膨大な量になり、それを処理できないシステムにより自滅したとも考えられます。

しかし、セグウィットやライトニングネットワークの仕組みが本格的に作用した結果、スケーラビリティ問題は解消に向かって進んでいます。こうして、ユーザーが取引しやすいと思える環境整備が進むことで、仮想通貨市場の回復も期待できるでしょう。

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