5分でわかる!暗号資産の税制を知ろう

暗号資産目まぐるしく変化する暗号資産への課税制度。税金は暗号資産と付き合っていくうえで避けて通れない壁といえます。今回は暗号資産の税制を投資初心者向きにやさしく解説していきたいと思います。

納税が不要の場合

「暗号資産で利益を得る=課税」ではありません。暗号資産の売却や使用による所得が年間20万円以下の場合は確定申告は不要です。

≪確定申告が不要の要件≫
・年末調整済みの給与所得者
・暗号資産の利益が20万円以下
・給与所得と暗号資産の利益以外の所得がない

また専業主婦の場合は基礎控除分の38万円以下であれば税金を支払う必要がありません。しかしパートなどで給与所得がある主婦の場合は上記のように20万円以上の場合課税対象になるので注意が必要です。

暗号資産は「雑所得」扱い

参考:国税庁HP「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1524.htm

国税庁の見解は、暗号資産を基本的に「雑所得」として区分しています。ですから分離課税が適用される株式やFXと比較して税制面で不利な投資商品であるといえます。具体的には分離課税制度の株式であれば、いくら利益が出ても税率は最大20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。しかし雑所得の仮暗号資産の場合、最大で55%(所得税45%、住民税10%)課税されることになります。

また、雑所得である暗号資産は損益通算をすることもできません。

≪暗号資産(雑所得)の税率≫

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超、330万円以下 10% 97,500円
330万円超、695万円以下 20% 427,500円
695万円超、900万円以下 23% 636,000円
900万円超、1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超、4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

参考:国税庁HP「所得税の税率」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
暗号資産の利益には所得税のほかに住民税が10%かかります。

暗号資産と課税~国税庁のFAQ*より

分かりにくい暗号資産の課税の仕組みですが、2018年に国税庁が公表したFAQでは「どのようなケースで課税されるのか」が詳しく解説されています。ここでは国税庁のFAQを参考にしながら暗号資産の課税の仕組みを解説していきたいと思います。

*国税庁のFAQ詳しくはこちらを確認

① 暗号資産を売却した場合

保有している暗号資産を日本円に換金(売却)したときに、暗号資産の売却益が課税対象となります。

② 暗号資産で商品を購入した場合

保有している暗号資産で商品を購入した時に、商品価格と保有する暗号資産の取得単価の差額が課税対象となります。

③ 暗号資産と暗号資産を交換した場合

保有している暗号資産で他の暗号資産を購入した時に、暗号資産の購入価格と保有する暗号資産の取得単価の差額が課税対象となります。

④ 暗号資産の分裂

ビットコインからビットコインキャッシュが分裂したように、暗号資産は分裂によっても取得することができます。分裂による取得の場合は新規で得た通貨を売却もしくは使用した時に課税対象となります。また、この場合の取得単価は0円です。

⑤ マイニングによる暗号資産の取得

マイニングによって取得した暗号資産はマイニングにより取得した暗号資産の時価から必要経費を引いた額が課税されることになります。

所得が生じる時期

(課税対象となるとき)

取得単価 課税計算式
暗号資産の売却 暗号資産を売却したとき 購入単価 売却金額−購入金額
暗号資産での商品購入 暗号資産で商品を購入したとき 購入単価 商品価格−購入金額
暗号資産の交換 他の暗号資産と交換したとき 購入単価 新規で購入する暗号資産価格−購入単価
暗号資産の分裂 暗号資産を売却or使用した時 0円 売却価格−0円
マイニングによる取得 マイニングにより取得したとき マイニングにより取得した時の時価 収入金額−必要経費

暗号資産FXの取り扱い

為替のFXの場合分離課税制度が適用になりますが、暗号資産FXはどのように取り扱われるのでしょうか?暗号資産FXは「雑所得」扱いになるので注意が必要です。

損失の取り扱い

暗号資産は雑所得扱いです。そのため暗号資産の損失は損益通算することができません。また、雑所得以外の所得との通算もすることができません。

暗号資産の課税で注意すべき事例

雑所得扱いの暗号資産は税制面ではかなり不利に取り扱われています。ここでは、暗号資産取引で気を付けるべき事例を挙げていきたいと思います。

例1 2017年にビットコインを150万円で購入し、2018年の暴落で150万円分を上がりそうなリップルに交換した場合
150万円と150万円の交換ですので、保有する分においては課税されることはありません。

例2 2017年にビットコインを50万円で購入し、2017年にビットコインの価格が高騰したときに、150万円分を上がりそうなリップルに交換した場合
2017年:150万円−50万円=100万円(課税対象額)
100万円が課税対象金額になります。

例3 2017年にビットコインを50万円で購入し、2017年にビットコインの価格が高騰したときに、150万円分を上がりそうなリップルに交換した後に暴落に巻き込まれ、購入金額の50万円で売却した場合
2017年:150万円−50万円=100万円(課税対象額)
2018年:150万円−50万円=100万円(損失)

このケースでは一見投資金額が50万円で残った金額も50万円で問題ないように見えますが、雑所得は損益通算ができないため2017年度分の100万円が課税対象となり税金分の実損を追うことになります。

まとめ

今回は暗号資産の税制を投資初心者向きにやさしく解説してきました。
しっかりと課税が発生するポイントを理解して、うまく税金と付き合って利益を上げていきましょう。

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