【インタビュー】Good Luck 3 井上氏 -第4部:くりぷ豚をブレイクさせるには?RAKUNの紹介

くりぷ豚

2017年後半に誕生したブロックチェーンゲームは、プレイヤー同士でキャラクター等をやり取りできるゲームとして新しいもの好きのゲーマーの間で話題になりました。日本でもブロックチェーンを使ったゲームがリリースされています。

今回は「くりぷ豚」を開発運営しているGood Luck 3の代表、井上和久氏を中心に、くりぷ豚と新しくリリースするゲームプラットフォーム「RAKUN」について訊きました。

第4部では、くりぷ豚の取引価格やRAKUNの紹介について訊きました。

前回のお話:第3部 – ブロックチェーンゲームを創ってわかったこと

Good Luck3 井上氏と畑村氏
Good Luck3 井上氏と畑村氏

くりぷ豚の取引価格は?

編:生々しい話をすると、種付けの取引価格と豚の取引価格の最高額はいくらですか?

井上:ユーザー間売買価格だと5万円相当。当時3ETHくらいですね。種付けは、約0.2ETHです。私も、種付け料で何ETHか入ってきているので、感覚的に種付け料の方が入りやすいですね。買う側も売る側も気楽なので。

編:そのあたりの価格は、CryptoKittiesのような極端な額じゃなくて、割と落ち着いている価格ですね。となると、シンギュラリティまでまだまだ先ですね。

井上:1億円を超える頃にはブロックチェーンが当たり前の世界に変わるでしょうね。1000万円でも十分ですね。

畑村:法律の問題をクリアしなければいけないですが、1口馬主みたいなものも作れますし、その権利を買うためにローンを組むとか、Decentralandでローンを組んで買っている人もいるようで、すごいですよね。

編:ブロックチェーンをわからない人からすると狂気でしかないですね。

井上:リアルとの違いは肉にできないかくらいですね。それも実際の養豚場と本格提携して、リアル豚と交換可能にするというアイデアもあり、具体的に検討しています。まずは、レースの賞品に、くりぷ豚オリジナルの豚肉を提供するところから始めます!インターネットが自己増殖的に進化したように、ブロックチェーンも日々進化しているなという感じはしていて、みんなで使いながら、こういうふうにつかうとより便利になるではないか、楽しくなるのではないかというのは日々やっている感じですね。

編:ちなみに豚だから当然寿命はあるわけですよね?

井上:今はありません。寿命があったほうがより新しい豚が欲しくなるでしょうね。今の設定では10歳を超えると育成しづらくなるというところは設定しています。仮想空間ってルール決めみたいなことがありますので。

そこでルールを決めるときにリアルの世界は参考になると思っていて、本当に死ぬようにしたほうがいいのか、打ち止めにしたほうがいいのかは世界の定義の仕方なのかなと思います。

ユーザや業界をどうブロックチェーンに巻き込んでいくのか?

編:ブロックチェーンゲームは、ウォレットを登録しなければいけないところがユーザにとっての大きなハードルになると思うのですが、それについて何か工夫していることはありますか?

井上:ウォレットアプリや取引所との提携を推進しています。ユーザが、少しでも使いやすくなるようにと日々改善しています。仮に取引所とウォレットアプリが一体となると法定通貨と暗号通貨の交換が簡単になるし、ウォレット自体も取引所の方で管理してくれるのですごく楽だし、ユーザにとって価値あるサービスを創っていこうとすると、それらがカギになるのかなと思っています。

編:人々が暗号通貨を使いだすきっかけは、日本の場合はエンターテインメントが牽引していくところがあると思います。キャリアや課金ビジネスが伸びていった一員だと思うので、色んな会社さんたちに巻き込んでいくための考えはありますか?

井上:「その世界おもしろそうだよね」という感覚を共有できるのが大事だと思っています。感覚は人によるかなと思っていて、業界ではあまりにも有名な話なので、今回あまり話さなかったですが、「レディ・プレイヤー1」という映画があって、これが良くできているのです。バーチャルリアリティとAIとIoTとブロックチェーンを組み合わせたような世界観で、今ある技術を進化させていくと2045年にこれできるよねという世界観です。

この話と、今まで私が話したくりぷ豚がブロックチェーン上で繁殖していく世界は、完全につながっているわけですよ。そういうストーリーが見えると、そのビジョンを叶えたいよねと共感してくれる人がいるかなと。多分2つあって、1つ目は、レディ・プレイヤー1を見てあなたにとってこういう世界楽しいですか?どうですか?と。楽しいのであれば一緒に創って行きましょうということだと思っています。2019年現在にそこに至るために一番できる範囲でやっているのが、このくりぷ豚ですって見てもらったときに、いい第一歩を生み出しているよねと感じてくれたら一緒にやろうと言う話になると思うのです。

だから、どんな世界を創りたいか?私達が組むとその世界が前進させられるのかという話をしていくのが一番いいかなと感じています。

もう一つは、金融資本を巻き込もうとしたときに、足元のデータやKPIが出ていますかという話があるのですが、私が強調して説明しているのは、一人一人の熱量が既に数字に反映されているということです。1人あたりの購入金額が、今までのゲームでは見たことがない金額がはじき出されていて、この熱量ってのがすごいのだと!この熱量に人数が掛け算になったときに、ものすごい変化が生まれると伝えるようにしていますね。

くりぷ豚はどこでブレイクする?

編:くりぷ豚自体のゲームとしてブレイクしそうな、狙っている国はありますか?

井上:畑村も僕もゲーム業界が長いのですが、パッと見ていてキャラクターのテイストでウケるウケないはあるかなと思っています。端的に答えると、フランスやフィンランドなど一部のヨーロッパとアジアはいけると感じています。

これが結構面白くて、去年くりぷ豚を持って、フィンランドとエストニアに行ったんです。ムーミンを生んだ国だからか、フィンランドではめちゃめちゃウケたのですよ。これは結構いい絵だね。とても可愛いよって。

一方でエストニアでは、けちょんけちょんに言ってきて、これは絵柄を変えないと絶対売れないと。エストニアとフィンランドは隣の国じゃないかって!でも、エストニアはロシア文化の影響が強いんですよ。

多分ですが、ロシア及びエストニアはウケないけれども、フィンランドやヨーロッパ系はウケるかなと。フランスは日本の漫画がよく読まれるので、あのへんは結構うけるのだろうなと思っています。日本の漫画テイストはアジアでもウケているので、そこはマーケットがとれるだろうなと思っています。北米は、まだこれからですけれども、アジアと、ヨーロッパの日本テイストが好きなところはウケるのではないかなと思っています。

ポケモンなんて日本テイストですが、全世界でウケていて、アメコミ的なやつでも全世界で売れているものもあるから、テイストを超えた普遍的なものによって、臨界点を超えて全世界に広げていきたいですね。

編:ゲームを地域別の市場規模で見ていくと、アメリカや中国だと思うのですが、アメリカはカジュアルなゲームが好きで、ギャンブルもウケるのではないかと思うのですが、どう思っていますか?

井上:ギャンブルは熱量が高いと思っていて、現行法の下で、これを暗号通貨でやってしまうと賭博で私が捕まってしまうので、今やっていません。しかし、レースをやる以上賭けられたほうが面白いに決まっていて、ゲーム内通貨を用いた賭け機能をリリースします。ゲーム内通貨は、法定通貨に替えられないので、ゲーム内通貨を賭けて増やせるという遊びは、ゲームをする人より、ゲームを見る人のほうが多いよねという観点から、くりぷ豚の世界を広げます。

例えば、日本バージョンはそれでやるのだけれども、海外バージョンは弊社じゃないところが運営して、合法な国で暗号通貨を使って賭けてもらうというのは展開オプションとしてありだとは思います。ただ、弊社はまず足元の日本展開からスタートしているので、日本法を遵守して、ベッティングやギャンブリングはあくまでもゲーム内通貨でやるという方針に決めています。

RAKUNの紹介

編:Good Luck 3でやろうとしているRAKUN(ラクン)のプロジェクトについて教えてください。

井上:もともと畑村とこのプロジェクトを始めるときに、ゲームの活動をしても財として残らないのはおかしいよねという話をしていました。私達は、ゲームに結構な時間も費やしているし、ユーザ間コミュニケーションにしても、人に幸せを与えている人がいっぱいいるのですよ。

でも、それらが現実世界にまったく反映されていなくて変だよねと。それがゲームで遊んでいる時間が財として評価されたとか、ゲームの中で作られたのが財として残って評価されたらいいよねとか。そういう世界があって、1個1個のゲームでも実現できるのですが、プラットフォームとして用意されていたらより実現確度が上がるよねと考えました。

実は、くりぷ豚を開発する前にRAKUNの開発が始まっていました。最初は手探りでどんな要素があればいいかやトークンという通貨は必要だよね。でも、それだけで広がるの?と言われたら、いやいや違うと。

例えば、ゲームの攻略記事や情報を積極的に提供している人がいて、そういうのはユーザのカリスマ性という意味では評価されるけれども、利益が得られているわけではないです。

たくさんいいねを押された人やコメントが多い人にちゃんとトークンを渡して、あとは情報を発信している人だけで活動が成り立っているかというと、そうじゃないと思っています。読んでいる人やコメントしている人も活動に加わっているわけなので、この人達がトークン払うのでなく、この人たちにもトークン渡しちゃえと!

みんながトークンをもらっていたら、こんながの成り立つの?という疑問が出てくるわけですけれども、その活動ってマイニングみたいだなって。ゲームの記事を書いたり読んだり、コメントしたりいいねをしたりする活動をマイニングと同じ位置づけにするとトークンエコノミーって成立しないかと。そういう機能もつけようと考えています。

つまり、トークンによるメディアのインセンティブの仕組みと、ゲームやアバターがあって、投げ銭もできてトレードもできる。こういうプラットフォームがあると、僕らが実現したいレディ・プレイヤー1の世界の第一歩、第1バージョンを2020年くらいに創れるよねと。そういう構想のもとスタートしている感じです。

RAKUNの概要

ユーザとどうありたいのか?

編:ブロックチェーンゲームだとやはりユーザが主体である割合が増えてきますが、RAKUNを盛り上げるために、開発者側からしたらユーザにどうあってほしいと思いますか?

井上:この世界って作り手と使い手の境界が曖昧だと感じています。ユーザは使い手という意味でユーザって言われているのですけれど、ユーザという名称自体が間違っているのではないかと思うのです。

だって、ユーザは、みんなで創っていく世界において、コミュニティの住人なのでコミュニケーターだと感じていて、皆がコミュニケーターであれば、この世界はもっとハッピーになります。

編:私は暗号通貨の世界は、株式と違って投資している人とサービスの使い手を一緒にしたという点が偉大かなと感じています。さらにここに作り手が加わるようなイメージなのでしょうか。

井上:そうですね。共に創ると書いて共創といいますが、そういう感じですね。共に創っていきましょうという世界観で考えています。ユーザという、使うだけの人がいなくなるのではないかと。みんながコミュニケーターでありクリエーターになっていく世界が、このRAKUNにおける世界なのです。

だから、ユーザを無くすことが私たちの使命なのかなと(笑)ユーザはいなくなります!ユーザがいるってことは提供者がいるってことじゃないですか。みんながクリエーターである世界において、ユーザだけの人っていないのですよ。

メディアにどうあってほしいのか?

編:我々メディアとして、このニッチなゲーム業界をくりぷ豚を始めとしてどう盛り上げられると思いますか?

井上: RAKUNにはメディアの機能があるのですが、くりぷ豚では、その機能をフルに活用していきます。攻略記事に対してトークンを付与するとか、コメントやいいねをした人にトークンを付与していくのと、更に面白くなります。

実は、くりぷ豚で各メディア対抗のレースをやるアイデアがあります。先程の原点だと思うのですけれども、くりぷ豚について私が一生懸命説明して、その説明を記事にしても面白くありません。じゃあ、記者の方が、みんなで豚を育ててレースに参加してもらったら、一気に記者が、くりぷ豚のことを分かってもらえるじゃんと!記者って忙しすぎていて、くりぷ豚のPVとかは見たり、説明記事を読んでいるけれども、遊んだ人って限られていて、まずはやってみようぜ!ということですね。

一番面白い記事って、実際メルカリ使ってみました!みたいなものだと思うのです。メルカリのビジネスモデルよりは、メルカリ使ってみました!の方が、読者にとってはリアルで面白いじゃないですか。

それと同じように、くりぷ豚のレースに出てみました!この担当記者の頑張らなかったせいで残念ながら5位でした、すみません!みたいな(笑)そっちのほうが面白いなと思って、社内で出てきた企画なのですが、メディアのみなさんでやろうぜと思っています。

編:この業界はメディアの横つながりもありますので。やるとなったら我々も・・・

井上:定期的にメディアカップが開催されると面白そうですね。しかも、各メディアがライブで中継してもいいと思いますし。レース本選のライブ中継を昼休みの時間帯に定期開催していますので、この前、社員全員でランチを食べながら観戦していたのですけれども、自分の仲良しのユーザさんが本選に出ていて、おもしろいなと。がんばれーってみんなで応援していましたよ(笑)

これからも、世界中の人々と、くりぷ豚の世界を、共に創って行きます!そして、みんなの心が、くりぷ豚で繋がって笑顔になっていくよう、くりぷ豚をもっともっと面白くしていきます!

Good Luck 3の情報

友だち追加